「裁く技術 無罪判決から死刑まで」を読んだ
何を読んだ?
なぜ読んだ?
裁判員制度に関しては言葉としてよく聞くが実際どういう流れで何をしたらいいのか全くわからない。そもそも裁判がどういう流れで進むのかすら知らなかったのでこのタイミングで読んでみるかという気持ちになった。
あと半額ポイントセールの本を漁ってる中で一番興味を引かれた本だった。
目次は?
- 序章 裁判員はどれだけ大変?
- 第1章 裁判の流れをつかむ技術
- 第2章 犯人かどうかを決める技術
- 第3章 懲役年数を決める技術
- 第4章 死刑かどうかを決める技術
- 第5章 本当に困ったときの危機回避の技術
- 最終章 裁判員を断る技術
どんな本?
裁判員制度でもし選出された場合に必要な 実践的な 知識について実際のケーススタディを多めに紹介しながら解説してくれる本。
裁判員についての基礎知識みたいなものは正直下記のようなまとめ記事を読めば良いかなと思う。
特に読むべき面白い章は懲役年数の決め方や死刑かどうか判断する方法についての話。
裁判員が参加する事件は殺人や強盗や放火等のいわゆる重大事件に限られる。
つまり無期懲役や死刑の判決を下す可能性のある事件ばかりだ。
普段犯罪とは縁遠い暮らしをしている人がいきなり殺人を犯した被告人を裁く立場になった時に、果たして何の知識もなく冷静に判断ができるだろうか。
素人の判断であってもその判断は被告人を死に処する可能性があり、それは想像しただけでも責任の大きな仕事で精神的に辛いものだろう。
その際に、
刑事裁判の基本原則
- 刑事裁判では犯罪を立証する責任は検察官にあって検査の検察側がいつどこで誰によってどのように犯罪が行われたか全て立証する
- 疑わしきは罰せず
- 裁判員は検察側・弁護側を比較して正しさを判断するのではなく、検察が立証出来ているかを判断する
量刑を決める方法
- 標準的事件をベースに判断していく。殺人事件の場合は、
- ①被害者の数が一人
- ②突発的偶発的に生じたもの
- ③はっきりとした殺意が認められる
- ④被害者側に落ち度が無い
- ⑤被告人にさしたる前科がない
- と想定される。このような事件だと懲役13~14年になる。
死刑適用の基準
- 基本は下記。
- ①被害者の数が3人以上
- ②被告人が未成年ではない
- ③犯行に計画性がある
- 加えて下記も考慮される。
- 前科の有無(重大前科があるとより重い)
- 機会の同一性(同一機会に二人殺したか、機会を異にして二人殺したか)
- 残虐性
- 執拗性
- 猟奇性
- 無軌道性
等を知っているだけで少しは判断に自信が持てるようになるはず。
日々のニュースで実際に心情的にはこの判決は厳しいのでは?とか逆に甘いのでは?と思うような事件が発生したりするが、それらがなぜそのような判決に至ったのかの理由を想像できるようになれる気がする。
裁判員として出来る限り理性的な判断を行うためにオススメの1冊。
誰におすすめ出来る?
裁判員として選ばれる可能性のある人。
刑事裁判について最低限の知識を得たい人や裁判官はどうやって刑を決めているのかに興味がある人、にとっては欲しい情報が過不足なく得られると思う。
ツイートメモのはじまりは?
裁判についての実践的な本を読み始めた。懲役年数を決める技術とか死刑かどうかを決める技術について解説してる章があっておもしろそう。
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年9月22日
裁く技術 無罪判決から死刑までhttps://t.co/IvJrsozK8Z