「男が痴漢になる理由」という本を読んだ

男が痴漢になる理由という本を読んだ。

この本では痴漢をする加害者の心理から日本の痴漢問題について書いている。

この中で特に印象に残っているのは、

  • 痴漢の多くは「性欲」から起こるのではなく「ストレス」から発生する
  • 会社勤めをする真面目そうな人が犯行を起こすことが多い
  • 痴漢そのものが彼らの「生きがい」となっている

という点。

世間一般のイメージでは痴漢加害者は性欲モンスターのような人間になっていたりする。

だが実際はそうではなく、まじめな人間が会社などでストレスを溜め込み、家族にも友人にも打ち明ける相手がいない中で、それらを発散する行為として痴漢が行われている。

また、これらの行動は成功し回を重ねるごと自己肯定が進み、実は悪いことでは無いのではないか?といった認知の歪が形成されていく。

強く形成された歪んだ性への考え方は取り除くことが困難なため、初犯から再犯する割合が30数%を超えておりとても多い。

痴漢加害者が「痴漢を出来なくなったことで失ったことは何か?」と問われ「生きがい」と答える場面は非常に衝撃的だった。

痴漢はいかに依存性が強いかということがわかる。加えて加害者への共感力も著しく欠如しているという点も見逃せない。

本書には痴漢加害者の初犯時の独白のようなものが掲載されているが、背景やその行為を行なった時の気持ちがリアルに書かれておりとても読み応えがあった。

加害者になりえる人・被害者になりえる人のどちらの立場の人にも考えさせられる本だと思うので手にとってみると良さそう。

以下は読みながらとったツイートまとめ。