「 奇妙な菌類 ミクロ世界の生存戦略」を読んだ
何を読んだ?
なぜ読んだ?
セールで安かったから。
擬態とか面白い生物の話は割と好きで興味もあったし。
目次は?
- 第1章 菌類の奇妙で面白い世界
- 第2章 菌類のしたたかな社会生活
- 第3章 変幻自在の巧みなサバイバル術
- 第4章 生態系を支える驚異の能力
- 第5章 人類にとって菌類とは何か
- 付録 菌類学名一覧
どんな本?
700万種類もいると言われる菌類(きのことかカビとか)が植物や昆虫、はたまた人間といった生態系の中でどのように生きているのかについて書かかれた本。
はじめの方は菌類についての外観と歴史についての話があり、2,3章以降から植物や昆虫とどう生活しているのかについて各種の切り口ベースで延々と紹介が続く。
個人的に面白かったものをピックアップすると、
- 植物と菌類の間には菌がリンを提供し植物から有機化合物を得るという共生関係が見られるが、その中にはより協力的な相手に対してより多くの報酬(この場合は有機化合物やリン)を互いに渡し合うメカニズムがある。菌根共生はシンプルな市場原理で成り立っている。
- 菌従属栄養植物: 菌のみから栄養を摂取する植物。菌からの養分に依存し光合成をやめてしまった植物もいる。例) タシロラン
- キノコを栽培してエサにしているシロアリがいる。生息は亜熱帯から熱帯で西表島でも見られる。彼らが作ったキノコはオオシロアリタケと呼ばれる
- 世界最大サイズのオニナラタケやばい。最大幅3810mで9.65k㎡、推定年齢は8000歳。所謂よく見るキノコの部分だけではなく根状菌糸束(根っこの強い版みたいなやつ)がすべてひとつなぎになっていてそれを合わせた大きさ。
- オフィオコルディセプスに寄生されたアリは群れから離れ異常行動を取り、低木の葉上へ流れつき大顎ではに噛み付いて絶命する。その後そのアリからはキノコが生える。菌がキノコの生長に丁度良い場所までアリをコントロールしている。この種の菌に寄生されたアリはゾンビアリと呼ばれる
- 珍種とされていたエニグマトマイセスが実はよく手に入る身近な土の中に結構沢山いたことがわかったりするの、菌類ならではという感じがあって面白いな。菌の世界は種類もクッソ多いしほぼ見えないし未知の部分がおおそう
こんな感じ。
事例がずっと続くので冗長とも言える構成でもしかすると飽きるかもしれない。
菌類についての概論のみ得たいのであれば別の本が良さそう。
雑学を得るという意味では最適の書。
「マッティロロマイセス・テルフェジオイデス」とかいう地下生菌(トリュフとか地下で暮らす菌)みたいな覚えておいたらかっこいい学名も多数出てくるし。
誰におすすめ出来る?
きのことかカビ、冬虫夏草とかが好きな人におすすめ。
ツイートメモのはじまりは?
菌類の本を読み始めた。実質半額になってて安い。
— 宮崎由加(24) (@razokulover) September 24, 2018
奇妙な菌類 ミクロ世界の生存戦略https://t.co/vbvq8SXFSq