「西洋美術史入門」を読んだ
何を読んだ?
なぜ読んだ?
いちばんやさしい美術鑑賞を読んで、絵画を見ることに興味がでた。実際に美術館に行ってみて面白いなーということがわかってきたのでもう少し専門的な知識も仕入れたいと思い、読み始めた。
目次は?
- 第一章 美術史へようこそ
- 1 美術史とはなにか
- 2 なぜ美術を学ぶ必要があるのか
- 3 絵を“読む”ということ
- 4 絵を読むための手続き(一)−スケッチ・スキル
- 5 美術作品が持つ“ふたつの側面”
- 6 絵を読むための手続き(二)−ディスクリプション・スキル
- 第二章 絵を“読む”
- 第三章 社会と美術
- 第四章 美術の諸相
- 第五章 美術の歩み
どんな本?
一言でいうと西洋絵画を”観る”のではなく”読む”方法を教えてくれる本。
絵画を観るのでなく読むためにはいくつかの前提となる知識を知っておかなければならない。
そこに描かれているオブジェクトは何を意味するのか?
なぜそのオブジェクトを書く必要があったのか?
記号としてのオブジェクトの意味を知っていると、例えばガイコツが描かれていたとしたら「これは死について何か描かれているのだな」とわかる、といった具合。
そういった描かれるものをそれぞれ分析して意味を抽出していく能力が一つ。
また絵画を読むには特にその当時の時代背景を知ることがかかせない。
中でも各時代の絵描きを知る上で欠かせないのは彼らを経済的に支える人たち、いわゆるパトロンだ。
多くの絵画はパトロン達がその当時欲していた絵に応じて描かれている場合が多い。
例えば教皇・教会が経済的に強い時代には宗教画がよく描かれた。とりわけ教会に飾る需要が多いのでサイズも大きくなる。
一方で17世紀頃のオランダのような市民が経済力を持ちはじめた時代、今度は風俗画・静物画・風景画などのアクの強くない絵の需要が増えた。いわゆるバロックと呼ばれる時期でフェルメールなど日本でも一度は耳にしたことのある画家たちが活躍した。購入者は市民なので家に飾ることが多く、サイズも小さめになる。
このように時代背景を知ると絵をよりメタ的に読解できるようになる。
絵画を読むとは、絵描き達がなぜその絵を書くに至ったかについて思いを馳せること、彼らが発しようとしていたメッセージを読み解くこと、それらを通じてその当時の人間は何を考えどのような時代を生きていたのか考えること、こういったことを通じて人間を知るということだ。
本書は、絵画を人間の歴史を写すメディアとして捉えることができるようになるための入門書として最適だと思う。
誰におすすめ出来る?
美術館でどの絵を観ても「なるほど、わからん!」となる人。
ツイートメモのはじまりは?
美術史やっていくぞ
— razokuover (@razokuover) October 29, 2018
西洋美術史入門https://t.co/ecQWmm5bgp