発達障害
発達障害について基礎知識を得ようということで「発達障害 (文春新書)」を読んだ。
この本では主にASD(自閉症スペクトラム)とADHD(注意欠陥・多動性障害)を取り上げている。
それぞれの症状や診断基準に関する基本的なことについてはもちろんのこと、実際の患者の症例やASDやADHD患者へのグループ治療についての話、ASDやADHDが現在の病気としてのカテゴライズを得るまでの歴史の話などが書かれており、広く浅く知見を得るには良い本だと思う。
ただし、もしASDとADHDの定義的な知識について簡潔に知りたい場合はWikipediaを読めば十分な気がした。実際の症状と特徴、原因についてはこの本で書いてあることとあまり変わらないので。
そうした基礎知識をベースにこの本で患者の例などを読み進めると、この人はASDだろうか?ADHDだろうか?はたまた他の疾患によるものか?といった推測を立てる練習が出来そう。
そうした症状を持つ人の症状を理解していると、何が苦手で何が出来るのかといったことがわかるようになり、お互いにベストな付き合いかたを模索できるようになるはず。
一緒くたに社会不適合者のレッテルを貼っておわりにしてしまうかどうかは知識があるかないかの差である。
私たちは平成も終わろうという現代に生きているのでちゃんと事実や知識に基づいて判断できるようになるべき。
先日の新幹線での通り魔殺人でもそうだが、何か犯罪が発生すると犯人は発達障害だったという恣意的な報道がなされたりする。
そうした報道のせいもあり発達障害には差別的なイメージを植えつけられている人も多いと思うが、実際どういう病気なのかを自分で調べて症状や特徴などの基礎知識程度は最低限知っておくべきではないだろうか。
Twitterのメモ
発達障害
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
- ASD
- アスペルガー症候群
- ADHD
- 神経発達障害
- 精神遅滞
- 限局性学習障害
- コミュニケーション障害
"発達障害は生まれつきのものであり成人になってから発症するものではない"
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
ASDの主な症状
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
・コミュニケーション・対人関係の持続的な欠陥
・限定され反復的な行動、興味、活動
ADHDの主な症状
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
・多動、衝動性
・不注意
対人関係に難があるだけではアスペルガー症候群とは診断できない。常同的で反復的な行動パターン(特定のものへの強い執着や手足をばたつかせたり複雑な全身の動きをする)が同時に認められる必要がある。
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
コミュニケーションに難があるだけでアスペとか呼ぶの完全に間違いじゃん…
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
ASDの診断基準は下記の4項目を全て満たしている必要がある
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
・社会的コミュニケーションや対人関係の持続的な欠陥
・反復的な行動、興味、活動
・発達早期で出現するが、大人になって明らかになる
・社会や職業などの機能に重大な支障をきたしている
対人関係において自閉は不安や恐怖感が原因であるが、ASDは他者への関心不足が原因
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
ADHDの診断基準は下記を満たす
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
・不注意症状
・多動性、衝動性の症状
・上記の症状が12歳より前から存在
・症状が学校や職場などの状況で存在
・社会的学業的職業的な機能を損なわせている
・症状が統失などその他精神障害では説明できない
"眠っている間に死んだと勘違いされて埋葬された男の噂話を聞いて以来、眠るときは枕元に「死んでません」という書き置きを残していた" アンデルセンのエピソード面白すぎる
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
歴史上の人物を史料などからASDやADHDかどうか推測するの面白い
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月11日
ASD、ADHDの犯罪率については一般の人より高率であるという報告と同等という報告があり明確な結論はない
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月12日
本の中にもたびたび出てきたDSM-5という米国精神医学会が発行する「精神障害の診断と統計マニュアル」。精神障害を幅広くカテゴライズしていて、診断基準とかも書いてるから読むの面白そうだが原文は読めないっぽい。
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月12日
一応それっぽいのがあった
— 宮崎由加(24) (@razokulover) 2018年6月12日
DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引 American Psychiatric Association https://t.co/qD5RcvcreW