「理性の限界--不可能生・不確定性・不完全性」を読んだ

何を読んだ?

なぜ読んだ?

Amazonのセールを漁ってたらアローとかゲーデルの名前があって興味が引かれた。

哲学や論理学については全然やってこなかったしわからなかったので入り口にいいかなと思った。

目次は?

どんな本?

アローの不可能性定理 /不確定性原理/ゲーデル不完全性定理をベースに社会科学/自然科学/形式科学の世界における「理性の限界」についてディベート形式で語るという感じの本。

社会科学の限界については「選択」をテーマに、完全に公平な投票方式は存在しないという話を、

自然科学の限界についてはニュートン運動方程式アインシュタイン相対性理論の元に立つ古典物理学の成り立ちの歴史や量子論の話をしつつ、科学とは常にアップデートされるものであり、真理や客観といった概念よりも信念や主観に基づく合意によってその時々の通説が決まる人類が生み出した思考法の一つにすぎないという話を、

形式科学(論理学とは数学)の限界についてはまさにゲーデル不完全性定理をベースに、証明できない真理が存在するという話を、

それぞれ繰り広げていく。

理解するのにくっそ頭を使うけど飽きずに読める。

ディベート古典物理学者とか大学生とか色々出てくるんだけど、カント主義者が話を脱線させてその度に司会に「その話はまた次回に...」って感じでたしなめられる描写が多くて笑った。

わかりやすくなるように例や「要するにOOみたいな感じです」という記述があって、理解しやすくなるように配慮されてるなとは思うものの、これでアローの不可能性定理 /不確定性原理/ゲーデル不完全性定理を完全に理解したとは到底言えないと思う。

なのでこれらの理論に関してはそれぞれ別の入門書でしっかり学んだほうがいい気がする。

誰におすすめ出来る?

手軽に教養を得るのに便利な書籍という感じなので、ちょっと小難しい話が好きな人には良さそう。

哲学とか論理学に興味を持つための入り口の書という使い方もできそうなのでそれに類する学部1年生とかにも良いかも。

あと、いちいち出てくる概念の名前が厨二っぽくてかっこいいのでそういうのが好きな人なら読んでみるのもよさそう、理解できるかはわからんが。

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